建造物重要文化財指定

1969年03月

文化財保護審議会は22日建築物関係の重文指定を発表した。民家23件、社寺2件で、このうち民家で最も古い大阪府佐野市の奥家は江戸初期の様式を残している。

「日展」改組

1969年03月

社団法人「日展」は25日上野の日本美術協会で総会を開き機構と人事の改革を行った。これまで「日展」は民間団体であるにも拘らず常任理事会委員の資格は官展当時のまま文部省の芸術院会員であることとしていたことをはじめとして、審査員の任命、受賞の選定などにしばしば情実によるもののあることの疑惑がもたれ、批判があったが、今回の改革の一つは常任理事会(15人)とそれに準ずる理事会(40人)から75才以上の会員を顧問として棚上げし、いままでの理事会定員を54人としたことによって人事を若返らせたこと。第二には、常任理事会のもっていた審査員任命権、各賞授賞選考権を理事会に移したことが主な改革点である。辻永に代る新理事長には山崎覚太郎が選ばれた。

国宝、西本願寺唐門の破損

1969年03月

桃山建築を代表する京都西本願寺の唐門(国宝)の装飾彫刻の一部が子供のいたずらによって破損されているのが、19日、発見された。

史跡指定

1969年03月

文化財保護審議会は20日昭和43年度の史跡、天然記念物、重要民俗資料の文化財指定を発表した。史跡には古代の官衛を残した「那須官衛遺跡」や大阪の旧造幣寮(明治4年創業)など7件が含まれる。

国際青年美術家展

1969年03月

日本文化フォーラム主催読売新聞社後援の第5回国際青年美術家展は21日から26日まで池袋西武で開催され、大賞(パリ留学費2000ドル)は「IN THE SKY OUT THE SKY」を出品した寺門晃に決定した。ストラレム優秀賞1席に渡辺恂三、2席に楢葉雍、文部大臣賞に山本俶生、日本文化フォーラム賞に鈴鹿芳康、美術出版社賞に藤野登、佳作に河野穣而、安達東彦、高岸昇、宮島靖英に決定。

国宝、重要文化財指定

1969年03月

43年度美術工芸関係文化財として文化財保護審議会は国宝1件、重要文化財51件を指定した。国宝は鎌倉時代の玄奘三蔵絵(法相宗秘事絵詞)12巻(藤田美術館)、絵画の重文には長谷川等伯筆「烏鷺図」(大日本インキ化学工業)、作者不詳毛利元就像(永禄5年、山口市豊栄神社)、密教図像17点田能村竹田筆「暗香疎影図」(大分市帆足市太)等の他、藤島武二筆「黒扇」(ブリヂストン美術館)、青木繁筆「わだつみのいろこの宮」(同美術館)、富岡鉄斎筆「安倍仲麻呂・円通大師図一双」(西宮市辰馬悦蔵)など。彫刻は今回初めて近代に来日した外国人の作品、つまりイタリア人ヴィンツェンツォ・ラグーザ作「日本の婦人像」石膏原型(東京芸大)が指定された他、伎楽面(東京国立博物館)31面など、工芸品には鎌倉時代の雲版(うんばん)、中国元代や明代の金襴袈裟など、他に書跡、考古品等を含んでいる。

芸術選奨

1969年03月

第19回(43年度)芸術選奨と第2回新人賞の受賞者が4日文化庁から発表された。美術関係では昨12月回顧展を開いた洋画家牛島憲之、写真集「宮廷の庭」の岩宮武二が選奨に、建築家で「福岡相互銀行大分支店」を設計した磯崎新が新人賞に選ばれた。

安井賞

1969年03月

第12回安井賞に鴨居玲「静止した刻」が決った。候補作は藤田吉香「村」。受賞作を含む72作家78点の作品は7日から19日まで池袋西武で開催の安井賞展に展示された。安井曽太郎記念会と毎日新聞社主催の同展はこれまでの50才未満という年令制限を廃したために幅広い出品者層が加わった。

縄文土器に画かれた原始絵画発見

1969年01月

長野県八ケ岳山麓から出土した縄文土器を復元したところ「婦人の出産図」とみられる原始絵画が画かれていることが分り、あるいは日本最古の絵画遺品ではないかとみられている(23日)。

ロートレックの作品盗まる

1968年12月

京都国立近代美術館で開催中の「ロートレック展」(11月9日―12月27日、同館・読売新聞社・アルビ美術館共催)会場から油彩の女性像「マルセル」が26日夜から27日の朝にかけて盗難にあった。 

毎日芸術賞

1969年01月

第10回毎日芸術賞(昭和43年度)の美術部門は、芸術大賞として「朝明けの潮」の制作と去る11月に銀座松屋で開いた個展に対して日本画家東山魁夷を、芸術賞として7月に日本橋高島屋で個展を開いたガラス工芸家岩田藤七と、立正大学熊谷キャンパスの設計者槇総合計画事務所代表取締役槇文彦を選定した。

長岡現代美術館賞

1968年11月

本年度長岡現代美術館賞(100万円)は関根伸夫の「位相」に与えられ、日本から8人、外国から7人の選抜作家の間で争われたものである。それらの作品は16日から27日まで東京池袋の西武デパートで展示された。

重文聖観音盗まる

1968年11月

西国21番札所亀岡市曽我部町穴太、天台宗穴太(あなお)寺の重文に指定されている聖観音立像とその原寸大模造の二体が10日盗まれた。

皇居新宮殿が完成

1968年11月

35年の閣議で決定され、39年6月に着工された新宮殿が14日に落成式を挙げた。鉄骨鉄筋コンクリート造り、地上二階地下一部二階建て、高床式の正殿を中心とする床総面積22,949平方メートル、造園費を含めた総工費130億円(建物坪当り110万円余)。

東京国際版画ビエンナーレ受賞決定

1968年11月

東京国立近代美術館主催の第6回東京国際版画ビェンナーレ展の最高賞である国際大賞(40万円)が5日野田哲也「日記68年8月22日」に決った。東京国立近代美術館賞(30万円)は永井一正、京都国立近代美術館賞(30万円)は西ドイツのアルミール・マビニエール、国際文化振興会会長賞(30万円)がアメリカのジェームス・ローゼンクイストに決定した。審査委員長山田智三郎、審査員はセルツ、サンドベルク他であった。

重文に建物20件指定

1968年11月

文化財保護審議会(会長稲田清助)は8日建造物関係重要文化財として明治の洋風建築11件(14棟)、民家7件(11棟)、社寺2件(6棟)の新指定を決めた。洋風建築は北海道庁旧本庁舎(札幌市・明治21年完工)、旧日本郵船会社小樽支店(小樽市・明治39年)、慶応義塾図書館(東京・明治44年)、旧横浜正金銀行本店本館(横浜市・神奈川県立博物館)(明治37年)、旧第四高等中学校本館(金沢市・明治24年)、旧中込(なかごみ)学校校舎(金沢市・明治8年)、旧帝国京都博物館(京都市・明治28年)、旧日本銀行京都支店(京都市・明治39年・現平安博物館)、旧帝国奈良博物館本館(奈良市・明治27年)、旧日本生命保険会社九州支店(福岡市・明治42年)、新潟県議会旧議事堂(明治16年)。

佐伯祐三展

1968年10月

歿後40年を記念してこれまででは最大規模の回顧展が25日から11月24日まで東京・セントラル美術館で開かれた。主催は同館ならびに朝日新聞社。